Nebius、英国の新興AIラボとコンピュート契約を締結
アムステルダム拠点のAIインフラ企業Nebiusは、英国の若いAIラボ数社と契約を結んだことを明らかにし、政府による競業避止条項の緩和計画を支持すると表明した。

アムステルダムに本社を置くAIインフラ企業Nebiusは2026年10月15日、英国の新興AIラボ数社と契約を締結したと発表した。今回の動きは、同社が英国でコンピュートおよびインフラ事業を拡大する取り組みの一環だという。
NebiusでEMEA地域のゼネラルマネージャーを務めるGary Tierney氏は、契約先のラボ名を明らかにしなかった。同氏によれば、これらのラボはステルス(非公開)で活動中か、最近ようやく表舞台に出てきたばかりだという。また、英国には優秀な人材が集中しているため、同社は今後も英国での事業拡大を続ける方針だと述べた。
今年はロンドンのAIスタートアップが相次いでステルス状態を脱した。元DeepMind幹部David Silver氏が設立したIneffable Intelligence、DeepMind、Microsoft、ホワイトハウスの出身者が立ち上げたInherent、ドイツの計算機科学者Richard Socher氏が共同創業したRecursive Superintelligenceなどがその例だ。これらのいずれかがNebiusの顧客であるとの確認はなく、Ineffable IntelligenceはすでにGoogle Cloudを優先クラウドパートナーに選んでいる。
英国に賭けるネオクラウド
ネオクラウドと呼ばれることの多いNebiusは、GPUを高密度に搭載したデータセンターを構築・運営し、その計算資源をAI開発者や企業に貸し出している。あわせて、AIアプリケーションを動かすための専門ソフトウェアも提供している。MetaおよびMicrosoftとは数十億ドル規模のインフラ契約を結んでおり、RevolutやPrima Menteとも計算資源に関する契約を締結している。
同社は英国内に4か所のデータセンターを運営しているほか、フィンランドとフランスにも自社施設を持つ。今年初めには、新たな拠点と規模を拡大したロンドンのハブを含め、英国で17億ポンド規模の拡張計画を発表した。ロンドンのハブは、研究開発と営業の拠点として欧州における同社の中核を担っている。
英国でデータセンターへの反対運動が起きていることについて問われたTierney氏は、「それを理由に地域への投資をためらったことは一度もない」と語り、英国での同社の投資額を挙げて説明した。
競業避止規定の見直しを支持
Tierney氏はまた、雇用契約における制限的な競業避止条項を緩和する英国政府の計画を歓迎した。同氏によれば、これらのルールがNebius自身の直接的な問題となったことはないが、同社が支援するスタートアップ市場の足かせになっているという。競業避止条項が存在しない米国では、スタートアップの成長がより速いと指摘した。同氏は、この条項が撤廃されれば英国で多くのラボやフロンティアモデル開発企業が生まれるだろうと予測している。
今回の発言からは、AIコンピュートへの需要が高まり続け、英国がフロンティアAI開発の拠点を目指すなか、インフラ事業者が若いAIラボを早期に囲い込もうと競い合っている実態が浮かび上がる。
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