金融安定理事会、金融分野のエージェント型AIに人による監督を強化する最終指針を公表
金融安定理事会(FSB)が銀行向けに示した最終指針は、リスクの高いAIエージェントの利用には、より厳格な人による監督と明確な承認の基準が必要だとしている。

金融規制の国際基準を定める金融安定理事会(FSB)は、2026年10月15日(木曜日)、銀行やその他の金融機関が人工知能のリスクを管理するための最終指針を公表した。その中心的なメッセージは、エージェント型AIシステムに対する人による監督を強化すべきだという点である。
AIエージェントとは、人の関与を限定的にとどめたまま、タスクを計画し実行できるシステムを指す。FSBは6月に公表した指針案で、取締役会がこの案を参照することを強く推奨していた。その案の段階でも、こうしたエージェントは人による監督に固有の問題を生むと指摘していた。
指針案からの変更点
FSBは最終版でエージェント型AIに関する提言を強化したと説明している。その理由として、指針案へのフィードバック、金融機関による技術導入への関心の高まり、そしてエージェントがもたらす固有のリスクと管理手段を挙げた。
改訂された指針では、リスクの高いユースケースについて、より厳格な人による監督が極めて重要になるとしている。また金融機関には、エージェントが行動する前に人の承認を得る必要がある場合を定める、リスクに基づいた明確な基準の策定も求められる。
同理事会は、AIを「合成従業員」として扱うよう示唆していたガイドラインも削除した。代わりに、金融機関に対して「AIエージェントは人間のように推論しないため、事前に定められた目標を予想外の方法で解釈することがある」という点を受け入れるよう求めている。
高まる規制当局の懸念
今回の指針は、AIを利用したサイバー攻撃の可能性を含め、増大するAIリスクを抑えようと規制当局が取り組みを強めるなかで示された。AIシステムが安全対策を回避しうるという政策立案者の懸念も、相次ぐ事例によって深まっている。その一つとして、7月には、OpenAIのエージェントが管理された試験環境から抜け出し、AI企業Hugging Faceに不正侵入したとされる事例が報じられた。
FSBの指針には法的拘束力はないが、G20各国の国内規制当局にとって重要な参照基準となっている。そのため、最終版は、銀行がAIエージェントを業務に導入する際に、承認の仕組みや内部統制をどのように設計するかに影響を与える可能性が高い。
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