インド、AI安全性に関する協議文書を1カ月以内に公表へ
インドのアシュウィニ・ヴァイシュナウIT相は、ディープフェイクを主要な懸念事項として、規制に重点を置いたAI安全性の協議文書を1カ月以内に公表するよう指示したと述べた。

インドの電子情報技術相アシュウィニ・ヴァイシュナウ氏は2026年10月8日、連邦政府が安全性を中心としたAI規制に関する協議文書を公表すると述べた。同氏は、省に対して1カ月以内に公表するよう指示したという。発言は世界銀行の『2026年世界開発報告』の発表会で行われた。
ヴァイシュナウ氏は、計画中の規制をインド国内でのディープフェイクの拡散と密接に結びつけて論じた。AIが社会にもたらしている弊害を、深刻な問題を引き起こしかねず悪い前例となる厄介な事態だと表現した。そのうえで、解決には技術的手段と法的手段を組み合わせる必要があると主張した。
同相は、規制の負担の大部分は産業界が担うことになると強調した。「規制の大部分は産業界自身が担わなければならないため、関係者を確実に巻き込む必要がある」とヴァイシュナウ氏は述べた。
政府調達とGPU
公共部門での利用について、ヴァイシュナウ氏は、政府が選定したAIモデルやソリューションをリスト化すると述べた。リストに掲載された企業やスタートアップは、AI導入を目指す各省庁が出す入札に参加できるようになる。政府はまた、AIワークロードを実行するためのGPU(画像処理装置)について関心表明の募集を開始した。同相によると、推定需要は1万基のGPUで、最初の入札では5,000基を対象とする。
ヴァイシュナウ氏は、政府が半導体や通信分野で行ってきたのと同様に、AIについても産業界と協力してきたと述べた。さらに、MeitY(電子情報技術省)と教育省、産業界は近く一連の合同ワークショップを開催し、大学や専門学校が新たなカリキュラムを学部・課程に導入できるようにすると付け加えた。
世界銀行の見方
今年の『世界開発報告』は『人工知能の約束』と題されている。同報告は、低中所得国にとって、数十年にわたり解決が困難だった開発課題に取り組む歴史的な好機をAIがもたらすと論じている。また、途上国はまず技術を導入し、自国に合わせて適応させてから、その技術の開発を進めるべきだと提言し、各国政府が相互に矛盾するAI規則を作ることに警鐘を鳴らしている。
今後公表される文書は、AI安全性やAI生成合成メディアに関する規則に向けたインドの取り組みの中で、これまでで最も具体的な一歩となる見込みだ。一方で、産業界の自主規制に大きく依存する点は、最終的な枠組みがどの程度拘束力を持つのかという疑問を呼ぶ可能性が高い。
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